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【編集長インタビュー】なぜ『金麦』は四季の味づくりに挑んだのか?【PR】

2020.03.05PR

『金麦』の勢いが止まらない。サントリービールは今年1月、主力ブランド『金麦』のリニューアルを発表した。『金麦』『金麦〈糖質75%オフ〉』『金麦〈ゴールド・ラガー〉』の3種すべてに、贅沢麦芽を新たに使用し、麦芽由来のうまみと飲みやすさの絶妙なバランスを追求。1月中旬製造分からの『春の金麦』を皮切りに、季節ごとに味わいをととのえる『四季の金麦』を順次展開することで、新ジャンルの常識を覆す取り組みに打って出る。

同ブランドは、発売から13年目となる2019年には大刷新を行なったばかり。中味、パッケージ、テレビCMや宣伝活動のコミュニケーションを見直し、『金麦〈ゴールド・ラガー〉』を商品ラインナップに投入。ファン層の拡大も手伝い、2019年度のブランド累計販売数量は過去最高となる3847万ケースを記録した。

サントリービール史上売上No.1※となった『金麦』ブランドにさらなるブラッシュアップを講じる理由は何か? どこを目指しているのか? 同社で『金麦』ブランドの中味開発を主導する齋藤和輝さんに、DIME編集長・安田典人が話を聞いた。
※サントリービール歴代ブランド12カ月累計出荷数量に対する2018年9月~2019年8月の「金麦」ブランド累計出荷数量に基づく(350ml換算)

リニューアルの大きな柱は「贅沢麦芽」と「季節感」

サントリービール株式会社 商品開発研究部・齋藤和輝(さいとう かずき)さん。2011年入社、33歳。大学時代に肥満抑制にかかわる研究に従事したことから次第にものづくりへの思いが膨らむ。入社後はサントリー〈天然水のビール工場〉京都ブルワリーに勤務し、2013年より現部署に異動。季節限定の新ジャンル商品の開発を手掛けた後、28歳の頃から『金麦』ブランドの研究・開発に携わっている。

――早速ですが、今回のリニューアルの経緯についてお聞かせください。

プロジェクト計画を立案したのは昨年の春先のことです。まずは『金麦』ブランドの商品力を高めるために伝えるべき価値は何かと考えました。そこで『金麦』の原料である麦芽をブラッシュアップするために、従来の旨味麦芽(二条大麦麦芽の中でも、特にうまみ成分を多く含む麦芽)に、麦芽づくりからこだわった国産麦芽を一部ブレンドした贅沢麦芽を使うことにしました。

――国産麦芽に着目した理由は何でしょうか?

もともと『金麦』は2007年の発売以来、麦の味わいを大事にしてきたブランドです。国産麦芽であれば、金麦に適した麦芽をつくることができる。それは金麦醸造家が関われることのひとつですし、『金麦』らしさの中心にあるものだと我々は考えています。とはいえ、細かい製麦条件を決めるのは途方もない作業でした。「本当に実現できるのか?」というのが、プロジェクト開始直後の我々の総意でした。

――気の遠くなるような作業の連続。それでもやり遂げなくてはならない、と。

はい。トライ&エラーを何度も繰り返しました。そして、ようやく『金麦』らしい贅沢麦芽の形が見え始めた時に、本当にこれだけでいいのか、と思うようになったのです。麦の味わいと同じように、『金麦』は季節感を大事にしているブランドではないのか、と。

おいしさの感じ方は季節とともに変化する

――パッケージデザインを変えた季節限定缶の販売や、全国の人気花火大会に招待するキャンペーン。たしかに『金麦』には四季を通じて顧客とコミュニケーションをとってきた印象はありますね。

その強みを活かすことはできないか。そう考えていた矢先にプロジェクトメンバーのひとりから、「季節とともにひとの嗜好性は変化する」という趣旨の社内研究発表を見たことがある、と報告を受けました。

これは『金麦』に限った話ではありませんが、我々はできる限り、お客様にいつでもおいしい商品をお届けできるように努力をしています。中でも『金麦』は、お客様のライフスタイルに寄り添うブランドです。であれば、季節ごとに変化する嗜好性に合わせて中味設計をととのえなければ、本当においしいものを提供できないのではないか、と考えたのです。

――おもしろい研究結果ですね。そのアイデアを伝えた時の社内の反応はいかがでしたか?

完全に否定的でしたね(笑)。ブランドとしてはお客様に向けた価値を優先したい。ですが、「贅沢麦芽」を使うだけでも大変なのに、季節ごとに中味の設計に手を加えたら、全国4か所にある工場の生産現場だけでなく、営業や物流などすべての現場が大混乱するだろう、と。

――これまでは四季で中味設計を変えることについて前例はなかった。

初めての試みです。しかも、たった1年しか準備期間がない。そんな状況で企画が通るとは思えないという声もありました。

若干33歳の金麦醸造家が見つめたたったひとつの光明

――それでも企画は通ったんですね。どうやって周りを説得したのですか?

1回目の提案は見向きもされませんでした。それから幾度となく提案を繰り返しては断られ、その都度、生産や物流といった各部署のトップに時間を割いていただき、現場の負担を減らすための対応案を相談しました。

そして、一番おいしいものを届けるという姿勢は『金麦』ブランドにとって必ずプラスになること、競合他社を見渡してもそれができるのは季節に寄り添ってコミュニケーションをとってきた『金麦』だけであることなど、『四季の金麦』をお客様に届けることで生まれる価値を伝え続けました。

最終的に企画は通りましたが、私ひとりの力ではどうにもできなかった。チームの人員それぞれが自分の役割を果たしたからこその結果だと実感しています。

――しかし、今回のリニューアルはある意味で〝賭け〟ともいえる大刷新。新ジャンルは毎年ビール類全体の35%を占めるといわれる手堅い市場ですし、昨年の春といえば『金麦〈ゴールド・ラガー〉』を投入して、上り調子を感じていた時期でしょう。それでも、現状維持ではダメだ、と感じたのはどうしてですか?

それが『金麦』ブランドの勝ち筋だと思っていたからです。今、ビール市場は減少していて、一方で堅調に推移する新ジャンル市場は競争が激化しています。それに加え、今年10月の酒税改正で新ジャンルは段階的に値上がりする。

そうなってくると、ちょっとやそっとのリニューアルではお客様に振り向いてもらえなくなる、競争に生き残ることができなくなる。そういった危機感がチームの共通見解としてありました。

――たしかに、競合商品が増えたことで新ジャンルの差別化はますます難しくなってきています。とはいえ、これほど手のかかるリニューアルを『金麦』ブランドで試みた。その狙いは何でしょうか?

『金麦』は食卓を囲みながら楽しむ〝食中酒〟だからです。食卓を囲む時間が長くなるなら、さらに長く飲み続けられる味わいを目指しますし、料理の味が濃くなるのであれば、それに負けない存在感のあるものにする。『金麦』は2007年の発売以来、日本人のライフスタイルの変化に合わせて中味を調整するなど、毎年進化を続けてきました。

今回は贅沢麦芽を使うことで十分に、品質をブラッシュアップができたと思っています。しかし、さらに踏み込んで、日々おいしく『金麦』を楽しんでいただくために、もっと何かできることはないだろうか。そう考えた時に、様々な条件が合致したのが『四季の金麦』でした。これ以外の回答はないと今でも思いますし、絶対にやり遂げたい! とチームで話し合ってきました。

――実は最初に「四季で味わいをととのえる」と聞いた時にパッと頭に浮かんだのは〝ペアリング〟という楽しみ方でした。おいしい『金麦』を届けるために、ここまでこだわれるんだ、と驚いたくらいです。季節ごとの味わいは、どうやって設定したのですか?

中味を設計する上で念頭に置いたのは、気温の変化です。たとえば、冬から春にかけては、少しずつ気温が上がり、軽やかな気分で花見などへ出かけたくなる。夏が近づくと気温はさらに高まり、湿度も上がれば、爽快感のある刺激が恋しくなる。そして、秋は晩夏から初秋にかけてゆっくりと気温が落ち着き始める。暖かい室内にこもりがちになる冬は、鍋など味わい豊かな食を囲むようになる。

季節が流れていく中で、気温はどう移り変わり、気分やライフスタイルはどう変化していくのか、という視点で四季の味わいを設計した。

――春は〝軽やか〟、夏は〝爽やか〟、秋は〝まろやか〟、冬は〝味わい豊か〟。言葉でいうのは簡単ですけど、実際に中味を設計するというのは大変でしょうね。特にファンの多い『金麦』ですから、『金麦』らしさを損ねることなく、四季による味わいの変化を感じさせないといけないですし。

そうですね。普段から『金麦』を愛飲しているお客様に「これは金麦だね」と思っていただかないといけない。あらかじめプロジェクトチーム内で中味の許容範囲を設定してから試作を始めたのですが、私が提案したものの中には、味わいが変わり過ぎてしまったものもありました。

――それはなぜでしょうか?

『金麦』らしくありながらも、意味のある変化を提供したいと考えたからです。その微妙な線引きがとても難しかった。最終的に『四季の金麦』の中味設計は、通常の納期から1~2か月ほど延長し、プロジェクトチーム全員が納得するまで試行錯誤を重ねました。

『金麦』の絶対条件は飲みやすいこと

――先ほど『金麦』は食中酒だといいましたけど、齋藤さんにとって食事に合うビールというのは、どういうものですか?

一番大事なのは、味わいのバランスが整っていることです。苦味や酸味など、一部の味を極端に感じられるビールは、どんな食事にも合うとはいえません。また、後味が長く残り続けるのも良くない。食事中だけでなく、食後にゆったりしながら飲むというのも食中酒の役割のひとつです。30分、40分とグラスを傾けていても、飲み疲れしにくいビールが食中酒に適していると思います。

――料理を引き立て、飽きることなく長時間飲みやすい。こういった味わいの信頼感と安心感というのは、『金麦』の特徴そのものといえますよね。

しっかり味はあるけど、後味はすっきりしている。『金麦』はこのバランスを大事にしています。私は金麦醸造家になって5年目になりますが、実は1度だけ、ビールとしての満足感を高めるために、すっきりさを犠牲にして、ほんの少しだけ味わいを深めた試作品をつくったことがありました。

お客様には気が付かれないレベルだと我々は思っていたのですが、消費者調査のフタを開けてみると、『金麦』の嗜好度は大きく下がってしまいました。こんなに下がるものなのかと驚きましたし、そのおかげで私の中で『金麦』が愛される理由のひとつが明確になりました。

――『金麦』の持ち味であるすっきりとした後味は『四季の金麦』でも楽しめますか?

もちろんです。我々金麦醸造家だけでなく、『金麦』以外のブランドを担当する社内の醸造家にも協力を仰ぎ、お客様が求める『金麦』の特徴を損ねていないことを確認しながら、さらにおいしくする方策を探っていきました。とはいえ、『春の金麦』を出荷した今でも、自分の中に明確な答えがあるわけではありません。中味については評価を受けながら磨いていくものだと考えていますので、お客様からの反応を心待ちにしているというのが正直なところです。

これからも『金麦』はさらにおしくなる

――新ジャンルを四季で楽しむというスタイルには、今までになかったからこそ新しいトレンドになるチャンスを秘めているように感じます。企画担当者である齋藤さんは、『四季の金麦』をどんなひとに飲んで欲しいですか?

我々金麦醸造家にとって、お客様に「『金麦』はいつ飲んでもおいしいよね」と言って頂けることが一番の喜びです。今回、無理を押して『四季の金麦』を開発した理由も、1年を通して一番おいしい『金麦』を届けたいからに他なりません。

『四季の金麦』でこだわり抜いた「季節感」と「贅沢麦芽」は、『金麦』を今まで好きだったひとはもちろん、これから飲んでいただくきっかけになる大きな柱になると信じています。ご自宅で食卓を囲む際は、ふきのとうや菜の花など旬菜の天ぷらをつまみながら、『春の金麦』の麦の旨味をじっくりと楽しんでいただきたいですね。

取材を終えて

日本人の食卓に寄り添ってきたロングセラー商品『金麦』が、あえて、四季という難しいテーマに挑んだ今回の試みは、とても画期的です。今回、新商品の開発に真っ直ぐ向き合っている齋藤さんのお話を伺って、多様性が求められる今の時代の、ものづくりのヒントがたくさん、詰まっているように感じました。日々の何気ない食卓にちょっとした楽しみと彩りを与えてくれる商品として、きっとたくさんの人の心を掴むのではないでしょうか。夏はどんな味かな? 秋はどんな味かな? どんな料理と合わせてみようかな? そんな想像力を掻き立ててくれる新生『金麦』が、新しいトレンドを生みそうな予感がしました。(編集長・安田)

『金麦』の詳しい情報はこちら suntory.jp/KINMUGI/
問い合わせ先/サントリーお客様センター 0120-139-310

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※発送は5月上旬を予定しております。
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協力/サントリービール

取材・文/渡辺和博 撮影/干川 修

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