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サブカルとは?サブカル男子・女子の特徴とサブカルファッション
月島もんもんM.Tsukishima
目次
隠す1:サブカルとは?
(1)サブカルチャーとは?英語にすると?
サブカルチャーという言葉は、テレビや雑誌などのメディアでたびたび耳にすることがあると思います。また「サブカル男子」「サブカル女子」などという使い方をすることもありますよね。
ではこの「サブカル」とは、どんな意味なのか、ご存じですか?
サブカルチャー(subculture)
社会の正統的、伝統的な文化に対し、その社会に属するある特定の集団だけがもつ独特の文化。大衆文化・若者文化など。下位文化。サブカル。
〈出典:デジタル大辞泉・小学館〉
正しい意味はこうです。ちなみに、英語でも、同じ意味で『subculture』と言います。
ほかの辞書をひいても似たような説明がされているだけなので、わかりやすく教えていただこうと、書店員で恋愛コラムニストの草薙つむぐさんの協力を仰ぎ、解説してもらいました。
草薙:日本の文化といえば、着物や武道、古典芸能、和食などがあげられるでしょう。これらが日本のメインカルチャーとなります。それに対して、下位で付属的な位置にあるのが「サブカルチャー」です。
(2)サブカルチャーは日本だけ?
ネットでサブカルチャーと検索すると、日本のサブカルチャーばかりがヒットします。そのことから、「サブカルチャー」とはつまり日本的なカルチャーと考える人もいるかもしれませんね。
でも、上述の定義で考えてみると、サブカルチャーというのは日本独自のものというわけではないでしょう。
ヨーロッパを例にあげると、絵画やオペラなどの芸術や建築様式といったものはメインカルチャーといえるもの。しかし、アンダーグラウンドのクラブミュージックのような若者音楽やファッション、サッカーなどのスポーツなどはサブカルチャーといえるのではないでしょうか。
それを海外でも「サブカルチャー」と呼ぶのかということはさておいて、メインに対してサブ、というものはあるはずです。
(3)サブカルチャーの例を挙げると……
日本には実際、どんなサブカルチャーがあるのでしょうか。再び草薙つむぐさんにご登場いただきます。
草薙:サブカルチャーが何を指すかというと、主に若者のファッションや漫画、アニメ、映画、音楽、デジタル、オカルトといったものと考えることができるでしょう。オタク文化や若者文化といったものは、サブカルチャーだと考えてもらっていいと思います。
2:サブカル男子ってかっこいい?サブカル男子の特徴8
サブカルチャーを好む男女のことを、「サブカル男子」「サブカル女子」などといいます。また、見た目や考え方が「サブカル風」なんて表現をしたりもします。では実際に、サブカル男子とはどういった特徴を持っているのでしょうか。居酒屋などでお話を聞いてきました。
(1)マッシュルームヘア
「サブカル男子って、マッシュルームヘアが多い印象がある。気合い入った坊主頭とか刈り上げとかは、サブカル男子とは違うよね。猫みたいな細い髪にゆるふわのパーマとかかかってたら、サブカル男子率高いんじゃないかな」(Uさん・26歳)
(2)「他人と同じことはしたくない」
「サブカル男子って、メジャーなものを馬鹿にするイメージがありますね。マイノリティであるっていうことに、アイデンティティを求めてる感じ。実際、自称サブカル男子が“他人と同じことはしたくない”って言っているのも耳にしたことがあります。自分の考え方っていうのを持っているんでしょう。こっちからしたら、正直ちょっとめんどうくさいですけどね」(Oさん・27歳)
(3)音楽好き
「サブカル男子って、音楽好きな人多くないですか? マイナーなバンドを推してるイメージがあるんですよね。僕の知っているサブカル男子も、いったいどこで見つけてきたの?っていう感じのインディーズのバンドとかを推していましたね。
しかも、音楽性へのこだわりがハンパなくて、そのバンドが何から影響を受けた、とかから音楽性を語ってました」(Tさん・23歳)
(4)体型は細身
「サブカル男子は細身じゃないとダメですよね。ハンガーに掛かってそうな感じの細い肩とか。筋トレとか体育会系とは、あんまり近くない印象があるかも。やっぱり根っからの文化系で、アートとか写真とか漫画とかを好んでるからなんでしょうね」(Mさん・25歳)
(5)SNS好き
「サブカル男子って、なぜかSNSが好きですよね。自分のセンスに自信があるから、何かを発信するのに便利なんだと思います。それに趣味がマイナーだから、SNSで趣味の仲間を探すのが手っ取り早いっていうのはあると思いますね」(Eさん・21歳)
(6)カーディガン
「サブカル男子はストリートファッションとかはあんまり好まないイメージ。古着のざっくりしたニットとかカーディガンとか、そういう柔らかい感じの素材の服を、シンプルに着こなしてる感じかな。帽子もキャップとかよりもニット帽とかね」(Aさん・23歳)
(7)小物大好き
「サブカル男子は小物使いが独特ですよね。メガネとか帽子とか、そういうものを好んで身につけてるイメージ。古着のTシャツとかにヘッドフォン、宇宙っぽいネックレスとか小物を合わせて、個性的に着こなしてる感じ。小物使いがうまいんだよね」(Wさん・25歳)
(8)こだわりの趣味
「サブカル男子といえば文化系の趣味がマストですよね。写真とか音楽とかアートとか、独特の世界観での趣味を持ってる。しかも、その趣味の完成度がまた高い。自分でTシャツ作ってる人とかいましたよ」(Kさん・22歳)
3:ブランドは?サブカル男子のファッション5つ
サブカル男子について、見た目の特徴なども挙がりましたが、サブカル男子たちは、具体的にどんなファッションをしているんでしょうか。街でお話を聞いてきました。
(1)ビッグシルエットのTシャツ
「ビッグシルエットのTシャツとか、よく着ていません? 知り合いのそっち系の男子は、ルーズな感じをファッションで表現してましたね。“それどこのブランドなの?”って聞いたら“古着屋で見つけたからわからない”って言ってましたよ」(Tさん・24歳女性)
(2)ドクターマーチンのブーツ
「サブカル男子といえば、マッシュ、スキニーパンツ。で、足下はドクターマーチンのブーツですよね。もしくはオールスターのスニーカーですかね」(Kさん・25歳男性)
(3)丸メガネ
「メガネとかの小物使いが上手いじゃないですか、サブカル男子っていうのは。しかも、難しそうな丸メガネとかをいい感じに身につけてるわけですよ。知り合いのサブカル男子は文学好きなんですけど、丸メガネで文豪感を意識してるんだと思います」(Rさん・20歳男性)
(4)全身黒
「知り合いのサブカル男子は、黒いパーカーに黒いパンツとか、黒っぽい服ばかり着ています。黒好きなの?って聞いたら、考えるのが面倒だから黒しか選ばないようにしてるって言っていたけど、たぶんあれはウソだと思う。こだわり感出てるもん」(Sさん・25歳女性)
(5)シャツ
「シャツは鉄板じゃない? サブカル男子って線が細いでしょ? 色素も薄くて細くて、どこか中性的な感じ。だから、シャツを着てもおじさんっぽくならないし、大きめにダラッとシャツを着こなしているイメージ。正直大好きです、そういう男子」(Tさん・21歳女性)
4:サブカル顔ってあるの?サブカル顔と言われる人の特徴5つ
サブカル男子のファッションのイメージを聞いているとき、「サブカル顔」っていう単語がよく出てくることに気がつきました。そこで、サブカル顔にはどんな特徴があるのか、聞いてみました。
(1)色白
「色白ですよね。アウトドア派で、野外でアクティブに遊ぶの大好き!っていう感じだと、そりゃサブカル男子にはならないでしょうから。だから、色白で線が細い。肌も綺麗なイメージですね」(Uさん・22歳男性)
(2)アンニュイな雰囲気
「ゆるふわヘアで、どこかけだるそうな表情というか、アンニュイな雰囲気を漂わせている顔立ちですよね。力がなくうつろな目で、瞼は薄い。
でも実は喉仏がしっかり出てたりして、横から見るとちょっと男らしかったりするんですよね。そのギャップがたまらない」(Oさん・23歳女性)
(3)髭はなし
「男らしい人の顔って、髭があってもみあげと繋がってるようなイメージですけど、サブカル男子の顔はそれと真逆ですよね。髭はなくて、もみあげも薄い。だからキレイなフェイスラインがばっちり見えるんですよ。羨ましいですよね」(Yさん・24歳男性)
(4)塩顔のイケメン
「サブカル男子といったら、塩顔のイケメンでしょう。彫りが深くなくて、唇も薄い感じ。動物で例えるなら、ちょっとネズミぽい顔立ちをしてるイメージかな」(Dさん・27歳)
(5)優しげな笑顔
「サブカル男子はこだわりが強くて、ちょっと付き合いにくいイメージがあったりするけど、笑顔が子どもっぽくて優しかったりしてね。クシャっした笑顔で、目がなくなっちゃう……みたいなね」(Nさん・22歳)
5:面白くておすすめなサブカル漫画3冊
サブカル男子について色々ご紹介しましたが、彼らはどういった漫画を好んで読んでいるのでしょうか。面白くておすすめな漫画をご紹介しましょう。書店員の草薙つむぐさんにお話を伺いました。
(1)「説得ゲーム」
草薙:サブカル好みだけれども、誰が読んでも面白い漫画として、戸田誠二さんの短編集『説得ゲーム』をご紹介します。自殺志願者に自殺を辞めるように説得できたらクリアというゲームが作中にあるのですが、その開発者を探すのが表題作。そのほかにも、SFの世界で脳だけ生き残った女性を通して生きることを描く『キオリ』であったり、深みのある短編が5つ収録されています。
(2)「ストロボライト」
草薙:次におすすめするのは『ストロボライト』です。著者は早世されてしまった青山景さん。文学を志す大学生とマイナー映画のヒロインだった同級生のふたりが、夜行列車に乗ってで回想するという形でストーリーは進んでいきます。
作中に流れる絶妙な空気感は、まさにサブカル的青春を感じさせてくれます。
(3)「風の谷のナウシカ」
草薙:最後におすすめするのが、誰もが知っている『風の谷のナウシカ』です。ジブリ映画としてはあまりにも有名ですが、実は漫画は映画とはまったく異なります。映画の物語は序章に過ぎず、むしろその後のストーリーの方が奥が深い。全7巻なのですが、映画は2巻までのストーリーを再構成しているので、映画を見たという人でも楽しめるはずです。
6:サブカル男女が好きな音楽3曲
サブカル男子の特徴で「音楽好きというイメージ」が挙がっていましたが、サブカル好きな人はどんな音楽を聞くのでしょうか。自身もサブカル男子である草薙つむぐさんにお話を伺いました。
(1)THE BLUE HEARTS
草薙:「メジャーじゃん」と言われそうですが、『THE BLUE HEARTS』は避けては通れません。甲本ヒロトさんが、下北沢で出会った真島昌利さんに「バンドやろうぜ!」と持ちかけたことから結成されたという背景を持ち、作家のよしもとばななさんや劇団第三舞台の鴻上尚史さんなどのカルチャーの中心人物たちからもリスペクトされています。サブカル的な出自のバンドであり、それが現在も活動している「ザ・クロマニヨンズ」にまでつながっているという……。年代を超え、サブカルに愛されるバンドなのです。
(2)BUMP OF CHICKEN
草薙:結成から20年、『BUMP OF CHICKEN』はもはや大メジャーですが、根本はサブカルです。ドラマの主題歌にもなった『天体観測』や2017年にリリースされた『記念撮影』は有名ですが、『トーチ』や『goodfriend』など、隠れた名曲もいっぱいあります。10代の繊細な心の機微、大人になってもずっと持っていたい大切な気持ちなど、「わかる!」「泣ける!」が詰まっているんです。
(3)かぐや姫
草薙:最後に紹介するのは1970年代に活躍したフォークグループ『かぐや姫』です。フォークミュージックは、今の耳には優しい音楽に聞こえるかもしれませんが、60年代ごろ、ベトナム戦争反対運動とあいまって当時の若者たちの間で流行ったカウンターカルチャーから派生したといえる、「サブカルチャー」なのです。ほのぼのとも感じるメロウな曲調の中に、当時の社会を風刺するものだったり、切実に現状をあげるものだったりがあり、一度聞いてみると、文学的な歌詞の深さにきっと驚くことでしょう。
7:人生を変えるようなサブカルの世界はきっとある!
いかがでしたか? 今回はサブカル男子をメインにご紹介しました。少しでもサブカルチャーに興味を持ってもらえたら幸いです。音楽や映画、文学、アニメなど感動できるものはたくさん。ぜひ、自分が大好きだと思える作品に出会ってください。その時の感動は筆舌に尽くしがたいものがあります。
【取材協力】
草薙つむぐ・・・書店員の経験から今までに触れた映画や小説などは1000タイトル以上。またスポーツ選手から芸能人まで幅広い人脈を持ち、恋愛コラムニストからも恋愛相談を受けた経験を持つ。手相占い師としても活躍中。