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両家顔合わせの服装【令和の常識完全版】準備から注意点までもおさらい
松田優Y.Matsuda
1:両家顔合わせとは?
両家顔合わせとは、「結婚を決めたカップルが、お互いの家族を紹介し合うために開く食事会」のこと。最近では、結納の代わりにするカップルも増えています。
カップルとその親(あるいは後見人)という組み合わせで行うことがほとんどですが、兄弟姉妹やほかの親族が同席する場合も。とは言え、結納ほど形式ばらず、和やかな雰囲気で行われることが多いのも特徴です。
2:両家顔合わせの準備6つ
顔合わせを仕切るのは未来の新郎新婦の役目。当日の段取りはもちろん、準備もしっかりと行わなければいけません。顔合わせを滞りなく終えるため、順を追って流れを確認していきましょう。
(1)日程を決める
まずは日程を調整することから始めます。時期としては挙式の半年前くらいまでに済ませておくのが一般的です。こういうことは大安に行うべき、と考える家庭もあるので、揉めないためにも事前に確認したほうが賢明です。
時間帯は夜でも失礼にはあたりません。実際に、ホテルや料亭、高級レストランでディナーをするというケースも多いです。
(2)招待者を決める
一般的には、本人同士と両親(と同居している未婚の兄弟姉妹)という構成が多いようですが、家庭の事情によっては祖父母やほかの親族を招きたいという場合もあるでしょう。
「ざっくばらんな食事会」という観点で言えば、出席者は多いほうがよいのかもしれません。しかし、両家の出席人数のバランスは揃えたほうがスマートです。
(3)費用負担を決める
両家顔合わせの費用を誰が負担するかは、ケースバイケースと言わざるをえません。両家で折半することが一般的なようですが、未来の新郎新婦が両家を招待する場合もあります。
当日の会計で慌てたり揉めたりすることがないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。
(4)場所を決める・予約する
あまりに格式ばったところでは気後れしてしまうこともありますが、庶民的すぎるお店も不向き。ゆっくりと話をすることができるよう、レストランなどの個室を予約するという人も多いです。
お目当てのお店がある場合は、事前にふたりで下見をしておけるとベター。雰囲気や料理の内容も確認でき、その場で予約して帰ることもできます。
(5)席次を決める
いくら形式ばらない会だとは言え、普段の飲み会のように「自由に座ってください」というわけにはいきません。
基本的な座り方は、上座側から「父、母、本人」の順。もし兄弟姉妹が出席する場合は、本人よりも下座側に座ってもらいます。また、祖父母が出席する場合も、同じく、本人たちより下座側に座ってもらいます。
(6)手土産を決める
手土産は必ず必要というわけではありませんが、用意する家庭が多いです。お菓子の詰め合わせや地方の名産品が一般的。食事制限をしている場合やアレルギー、好き嫌いの可能性を考慮して選びましょう。
予算は5000円から1万円くらいと考えて。高額すぎるものはかえって気を遣わせてしまうので避けるべきとされています。
3:両家顔合わせの服装の選び方
かしこまりすぎず、くだけすぎない……顔合わせに最適な服装の選び方をご紹介します。
(1)【男性】カジュアルな場合
カジュアルというと普段着を想像するかもしれませんが、「両家顔合わせ」という場の重要度を考えると普段着ではくだけすぎです。襟付きのシャツ、ジャケットは必須です。ジーンズもやめておきましょう。
(2)【女性】カジュアルな場合
ワンピースや、セットアップがおすすめです。色はネイビーやブラウンなど、黒以外のシックな色か、パステル系。未来の花嫁らしく、白もいいでしょう。露出度の高い服や高すぎるヒールは避け、上品であることを最優先でチョイスしましょう。
(3)【男性】フォーマルな場合
礼服を着るのはトゥーマッチ。ビジネススーツで十分です。しかし、着古しているものは貧乏くさいので、パリッとしたものを。シャツやネクタイは新調してもいいかもしれません。
(4)【女性】フォーマルな場合
せっかくだから振袖を着たいという人もいるでしょう。マナーとしてはまったく問題ありません。ただ、相手側の服装との格式に差が出すぎるのはよくないため、事前に伝えておくのが礼儀です。
洋服の場合は、フォーマルワンピースやキレイ色のスーツがおすすめ。地味なブラックスーツやリクルートスーツは場にそぐいません。
4:両家顔合わせの注意点5つ
顔合わせを無事に成功させるために、気をつけておきたいポイントを5つご紹介します。
(1)手土産の渡し方・タイミング
帰りがけ、会場の出口でお渡しするのでも構いません。しかし、手土産も会話の話題のひとつにすることができるため、できれば序盤で渡したいところ。席についてすぐにお渡しするのもせわしないので、ひと通りの挨拶が終わって、乾杯したのち、食事が運ばれてくる前くらいがタイミング。
その際には、紙袋に入ったまま渡すのはマナー違反となります。のしを相手に向けるようにして手渡しましょう。持ち帰り用として、紙袋を添えるのは問題ありません。
(2)挨拶の仕方
挨拶は大きくわけて3つ。「始まりの挨拶」と「家族の紹介と挨拶」そして「結びの挨拶」です。誰が担当するかは個々の事情によりますが、一般的には未来の新郎かその父が担当します。
家族の紹介はそれぞれの代表者が行います。未来の新郎が挨拶をするなら、親族紹介は未来の妻が、挨拶を父親がしたなら、親族紹介は未来の妻の家長が行うのがベーシックです。結びの挨拶は、新郎新婦ふたりからのお礼の言葉に変えてもすてきです。
(3)言ってはいけないNGワード
結婚式ではNGとされる「忌み言葉」ですが、両家顔合わせではさほど気にしなくてもいいでしょう。もちろん縁起の悪い話題は避け、門出を祝う場に相応しい明るい話題を心掛けたいものです。
また、注意したいのがお互いの呼び方です。普段はあだ名や呼び捨てで呼び合う仲でも、「●●さん」とていねいに呼ぶようにしましょう。自分の親のことも「パパ、ママ」「お父さん、お母さん」ではなく「父、母」。気を抜きすぎないよう意識して。
(4)お酒の飲みすぎに注意
「お祝いの場だから」と水に流してもらえる程度の失敗であればいいですが、取り返しのつかないことをしてしまわないよう、お酒を飲む量は上手にコントロールしましょう。本人に飲みすぎの自覚がない場合は、周囲が気を配ってあげるといいですね。
(5)当日の段取りはしっかり頭に入れて
顔合わせは、結婚式や結婚後の生活について報告できる大切な機会でもあります。結婚後、両家の親が顔を合わせることは、実はそう多くありません。決めるべきこと、はっきりさせておくべきこと、ふたりの意思表示……「世間話ばかりしていて肝心な話をしなかった」と後悔することにならないよう、話すべき内容をしっかり準備しておきましょう。
5:まとめ
最近では結納を行わず顔合わせだけというカップルも増え、そのぶん、両家顔合わせの重要度は増しています。会場決めから手土産に至るまで、とにかくお互いの家族についてよく話をし、情報交換しておくことが大切です。
緊張する場ではありますが、両家を円満に繋ぐことができるようしっかり準備して臨みたいですね。