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結婚式に上司は呼ぶ?結婚式に上司を呼ぶときと呼ばないときの注意点10選
並木まきM.Namiki
目次
隠す1:結婚式に上司をどこまで呼ぶべき?
結婚式をするとなったとき、上司にあたる人物は、どの範囲まで呼ぶべきなんでしょうか。社内異動をしていたり、転職していたり、さらに勤務歴に比例して、上司はどんどん増えていきます。
「嫌いな上司だけ呼ばないっていうのも角が立ちそうだし」「上司を呼ばないっていうのは社会人失格⁉」「お世話になった上司を全員呼んだら、ゲストが上司だらけになっちゃう……」など、考え始めると悩みは尽きません。
2:報告はどうする?結婚式に上司を呼ばないときの注意点5つ
とはいえ、昨今では結婚式の簡素化に伴い、式を挙げるからといって、必ずしも上司を呼ぶケースばかりではないというのが実態。カジュアルな形式で、上司は呼ばずに親しい人だけでセレモニーを済ませる傾向もあります。
そこで、結婚式に「上司を呼ばない」と決めたときの注意点を5つ紹介しましょう。
(1)呼ばないとしても結婚の報告はする
結婚式に上司を呼ばないからといって、「呼ばないわけだし、結婚したことも直接は関係ないだろうから、内緒にしておこう」などと雑な扱いをするのは、ビジネスマナー違反。
会社員の場合、結婚することによって必要な社内手続きも発生します。勤務先に報告するのは、社会人としての最低限のマナーといえるでしょう。
(2)上司を呼ばないことにした経緯を伝えておく
上司を呼ばない式であっても、結婚報告は事前に行うのがマナーなのはお伝えしました。
このときに「○月×日に結婚式を挙げます。身内だけでささやかな式をするので、社の方々にはお声かけしないことにしました」などと、結婚式を挙げることと、上司をゲストとして招かない理由や経緯を軽く説明しておくとスムーズでしょう。
「結婚式をやった」ということが後からわかったときに、自分は呼ばれなかった」と思ってしまうと、あとあと面倒なことになるかもしれません。上司としても、その理由を邪推する必要がなくなり、すんなり受け入れやすいでしょう。
(3)できれば社内の人間は一律で呼ばないのが無難
「上司を呼ばない」と決めたなら、社内の人は一律で呼ばないという形式が、もっとも正しい選択に。
「本当は同期だけは呼びたいけど」「お世話になった先輩だけは呼びたい」と考えてしまいがちですが、同じ社内に呼ばれた人と呼ばれない人が混在すると、のちのちに誤解が生まれ、トラブルを招きやすくなります。
(4)社内の友人をどうしても呼びたい際には、呼ばない上司にも状況を説明する
社内に親友と呼べるほど親しい人物がいる場合には、職場枠としてでなく、友人枠としてお招きしましょう。
しかしこの場合も、その人と呼ばない上司との間でなんらかの誤解などが生まれないよう、配慮が必要。
上司を呼ばずに、その部下である友人にだけ声をかけたいという場合には、「結婚することになりました。式は身内で行う予定ですが、〇〇さんには式のお手伝いをしていただくつもりでおります」などと事前に伝えておくのがよいでしょう。
(5)新郎新婦の招待客の格と人数をそろえる
新郎側は上司を呼ぶけれど、新婦側は呼ばない、あるいはその逆など、仕事の関係などにより、新郎新婦でお招きするゲストの範囲が異なるパターンもゼロではありません。
しかし、あまりに格差があると、招待客としては不可解な気持ちになりがち。片方が上司を呼ばないのであれば、もう片方も呼ばない、片方が3人呼ぶなら、もう片方は最低ひとりは呼ぶなど、新郎新婦のゲストの範囲をある程度そろえたほうが無難でしょう。
3:挨拶やお礼はどうする?結婚式に上司を呼ぶときの注意点5つ
逆に上司を呼ぶとしたときには、気をつけておくべき点がたくさんあります。そのときの注意点を5つに絞ってご紹介しましょう。
(1)どの上司を主賓扱いにするのか
上司を呼ぶ場合、その上司を一般ゲストと同じ来賓として扱うか、主賓とするのかによって、式場側のもてなし方が変わります。
例えば、社長を呼ぶ場合には主賓としてお招きし、課長、部長と比べて親しい関係でないとしても、来賓の代表として、スピーチをお願いするなどの必要があります。
(2)失礼のない座席指定になっているのか
ゲストテーブルにも、格があります。一般的には、新郎新婦が座る高砂席に近い最前列が上席というルールがあります。複数の上司をお招きした際に、その役職と座席指定がちゃんと整合しているかにも、細心の注意を払いましょう。
(3)乾杯や挨拶をお願いする場合、立場的に失礼にあたる人はいないか
乾杯やご挨拶のスピーチをお願いする場合には、「その人にお願いしたことによって、当日の別のゲストに失礼にあたってしまう人が存在しないか」を念頭に置いておく必要があります。どなたにお願いするのが適切かは、式場の人としっかり相談しましょう。
(4)同じ立場にある上司同士で差がついていないか
職位が同じなのに、一方の人だけがいい席に座り、もう一方の人は格下の席に座っている……など、同じ立場にある人同士で差がつくような扱いをしてしまってはいけません。のちのちの職場での人間関係にも、尾を引きやすくなります。
特に、新郎新婦が同じ職場に勤めていて、片方は部長と課長を呼び、片方は課長だけ呼んだ場合、部長ともう片方の課長の席の格が同じになってしまった……というようなことがないように注意が必要です。こちらも、式場の方と相談し、最適なテーブルの配置を考えましょう。
(5)上司の部下や上司とのバランスは問題ないか
上司を呼ぶ場合には、お招きする上司の部下や上司にあたる人物とのバランスも考慮しなくてはなりません。
もしも直属の上司だけを呼ぶと決めた場合には、直属でない上司には声をかけないことになります。ですが、この場合も、お招きする上司、しない上司の双方に、事前に事情を説明しておくに越したことはありません。
4:結婚式で上司として挨拶するときのコツ3つ
自分が上司の立場で結婚式に招かれた場合には、スピーチを頼まれることもあるでしょう。そんなシチュエーションで挨拶をする場合に備え、結婚式スピーチのポイントをいくつかご紹介しましょう。
(1)とにかく褒める
これは上司でなくてもですが、結婚式のスピーチでは、縁起の悪いことを連想させることはもちろん、皮肉や揶揄も厳禁です。
親しい間柄でいつものノリのつもりで、新郎や新婦を軽くディスったり、いじり倒すようなスピーチは、内輪は笑ってくれるかもしれませんが、それも苦笑いです。両家の家族などもいることをしっかり認識して、とにかく褒めて褒めて、みんながハッピーになるスピーチを目指しましょう。
(2)微笑ましいエピソードまたは心が温まるエピソードを披露する
新郎または新婦の人柄が伝わるような、微笑ましいエピソードや心が温まるエピソードを具体的に披露すると、会場いにる人もほんわかとした幸せな気分に。
新郎新婦としても、そういった話は自らすると自慢話に聞こえやすいため、上司のスピーチで披露してもらえると喜びます。
(3)記憶に残るような名言を入れる
「気の利いたことが言えないけど、何かオリジナリティーのあるスピーチにしたいなぁ」と思うなら、新郎新婦やゲストの心に残る名言を織り込むといいでしょう。
ここで、どんな名言を入れるかがセンスの見せどころです。迷った場合には、新郎または新婦が憧れている偉人や有名人などの言葉を引用すると、喜ばれやすいです。
5:結婚式の上司の挨拶!文例の基本のき
上司として結婚式で挨拶するときの、ベーシックな文例とそのポイントをご紹介します。
(1)自己紹介
司会者に名前を呼ばれたら席を立ち、マイク前へ。そこで一度直立し、周囲を見渡しましょう。いきなり話し始めると、締まりがない印象になるので要注意です。
「ただいまご紹介にあずかりました、新郎・大介くんの上司にあたります、高橋でございます」
肩書や下の名前は司会者がすでに紹介しているし、席次表に書いてあるので省いてしまってOKです。ここは短く収めましょう。
(2)ふたりの結婚を祝福する
「大介くん、あやのさん、ご結婚おめでとうございます。また、ご両家ご親族の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。本当におめでとうございます」
新郎新婦に祝福の言葉をかけるときには、新郎新婦のほうを向き、目を合わせて一礼、また、ご親族の方々にお声がけするときには、それぞれのテーブルのほうを向き、一礼するとエレガントです。
このとき、新郎新婦や親族の方が起立されていることがあるので、祝福の言葉を述べたあと、「どうぞお座りください」とお声がけするのもマナーです。
(3)自分が挨拶をすることを恐縮する
「誠に僭越ではございますが、ご指名を賜りましたので、一言お祝いを申し上げさせていただきます」
もし、自分が新郎新婦の勤める会社社長であり、社内では偉い立場だとしても、会場には、自分よりも年上の人生の大先輩や、そもそも社会的地位の高い方もいらっしゃる場合が多いです。僭越の気持ちをひと言添ええるだけで、グッと好感が高まります。
(4)新郎新婦の具体的なエピソードを紹介する
「大介くんは、この春の異動で第1営業部から第2営業部に配属になりました。第1営業部と第2営業部は名前こそ大きな違いがありませんが、扱う内容が大きく変わります。
しかし、大介くんは持前の機転のよさと優秀さでチームを引っ張り、すでに大きな戦力として活躍してくれています。得意先の方々にも信頼されていて、本日の晴れの日にあたり、私に祝辞を託してくれたほどです。
大介くんのプライベートについては、ここにいる若手たちが、余興の動画を熱心に作っていたようなので、それを楽しみにしていただくことにしてここでは割愛いたしますが、あやのさんのような素晴らしいパートナーと出会えたことで、ますます魅力的な人間になるのではと期待しております。
あやのさんとは、大介くんからご紹介いただき、一度お会いさせていただきました。ご覧のとおり、美男美女のカップルですが、お話させていただく中で、本当におふたりが仲睦まじい様子を感じ、幸せな家庭を作っていくことを確信しました。
この良き日をスタートに、どうぞこれからも仲良く、末永くお幸せに。改めて、本日は本当におめでとうございます」
上司の立場でスピーチする場合、プライベートな部分や性格などについては割愛し、仕事ぶりについてほめちぎるのがポイントです。とはいえ、結婚したからますます仕事に精を出せ、という内容は時代に合いません。あくまでも、人生の充実を祝福しましょう。
また、相手のことをよく知らない場合でも、スピーチの中に盛り込むことが重要。当然、ウケ狙いであっても、新郎新婦をディスったりいじったりしてはいけません。
6:上司として恥ずかしくない!結婚式に出席するときの服装マナー5つ
上司として出席する式でも、そうではない式でも、結婚式に出席する場合には服装におけるマナーを守る必要があります。そこで、必ず守りたい最低限の服装マナーを5つご紹介します。
(1)格式に合わせた服装を
言うまでもなく、当日の主役は新郎新婦です。
そのため、男性でも女性でも、ゲストは新郎新婦よりも目立つ格好をしていかないことが最重要のマナーのひとつです。
(2)殺生を連想させるものは身につけない
レザーやアニマル柄など、殺生を連想する服やアクセサリーは、結婚式では身につけないのがマナーです。
(3)白いドレスは着ない
白は花嫁の色とされています。女性のゲストが結婚式に白を着ていくのはマナー違反です。
(4)かかとのない靴は避ける
男性も女性も、結婚式にサンダルやペタンコ靴など、ヒールのない靴を履いていくのはマナー違反にあたります。
ヒールがあるからといって、つま先が見えていたり、甲部分がストラップレスだったりするミュールもNG。ベストは5~7cmヒールのパンプスです。
(5)昼間の式では華美なアクセサリーは付けない
昼間に開催される結婚式では、上品で清楚であることがもっともマナーに合っています。行き過ぎた肌の露出、ギラギラとした華美なアクセサリーはご法度とされています。
女性の場合には、ヘアアクセサリーやネックレス、ピアス、指輪などいかなる装飾品にも当てはまります。パールなどアクセサリーをするのが無難に。
また、男性でもカフスや腕時計などでダイヤモンドをふんだんに使ったギラギラ系をしていくのはマナー違反に映ります。
7:上司を呼ばない結婚式も珍しくない!
ひと昔前までは、結婚式に上司を招くのは当たり前、という時代もありました。昭和40年代からしばらくは、寿退社するとしても、花嫁側も上司を呼ぶのがベーシックでした。
しかし現代においては、結婚式もどんどん簡略化されていると同時に、自分たちらしさを重んじる風潮に。そんな背景もあって、上司を呼ばない結婚式をしているカップルも珍しくはないのです。
そのあたりも考慮に入れながら、自分たちが納得できる結婚式ができれるのがいちばんですよね。