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セックスレスの定義!久しぶりにしたセックスと最後にしたセックスの体験談
相川葵A.Aikawa
目次
隠す1: 日本性科学会によると「1ヶ月」でセックスレス?
(1)1ヶ月に1回でもしていればレスじゃないと言えるか?
日本では「日本性科学会」という学会が、セックスのあれこれを科学的に解析しています。
その日本性科学会によれば、セックスレスの定義は「1ヶ月、ヤってない状態」!
「1ヶ月って、すぐじゃん!」と驚かれた方もいたのでは?
日本人は性に淡泊だったり、恥ずかしさを感じている人も多く、セックスレスって1年くらいかなー……と思っている人も多いのですが、どうやらその考え、甘いようです!
(2)「長期にわたることが予想される状態」ってどんな状態?
セックスレスの定義について、もっと詳しく見てゆくと
特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシャル・コンタクトが一ヶ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合
(出典:日本性科学会)
と定義されています。
この、「長期にわたることが予想される状態」というのが曖昧だと感じる方も多いでしょう。生理だった、体調が良くなかった、仕事が忙しかった等々、タイミングの問題で1ヶ月セックスがなかった……というだけでは、実はセックスレスとはいいません。
しかし、2人の間に心理的な壁ができていて、仲直りをしたり、話し合いをする必要があるだとか、仕事が忙しすぎて転職などをしないとセックスする体力がひねり出せないなど。何らかの策を講じなければ、セックスできないという場合があります。
この、「何かをどうにかしないと、セックスができない状態」こそが、「長期にわたることが予想される」状態であり、「セックスレス」の判断基準となります。
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2:セックスレス夫婦が「久しぶりにしたセックス」の体験談
(1)妻側から頼んで
ここからは、恋愛心理カウンセラーの筆者が、実際にクライアントさんからお伺いした「セックスレス後のセックス」を、ご本人の許可をいただいて、ご紹介していきたいと思います。
最初にご紹介するのは、「私からお願いしたら、してくれた」というAさん(女性・35歳)。
Aさんは結婚してまだ1年。子供はいません。セックスレスになるには早いように思われます。しかし、実は結婚する前からセックスレスに近く、結婚してからはほとんど性交渉がないカップルも少なくありません。
Aさんは「このままだとお互いにセックスレスの状態に慣れてしまう」と感じ、夫と話し合いを持つことにしました。すると、話し合いの翌々日、夫が寝る前に抱きしめてきたそうです。
「実際してみて、以前と特に変わりなくできることに安心しました。私は嬉しかったけれど、夫はどうだったのかな……」
とやや不安な部分が残るAさん、「今後の課題は継続していくこと」とおっしゃっていました。
(2)子供のことを言わないように……
Bさん(女性・26歳)も、夫側から拒否されてセックスレスになったケース。「2年間のセックスレスを乗り越えるとき、夫に離婚を切り出した」と言います。
「“してくれなかったら離婚する”と言いました。夫は少し考えて欲しいと言いましたが、次の日にセックスに誘ってくれました。
2年ほどしていなかったので緊張しましたが、ていねいに扱ってくれたので……。それから意外なことに、月に2~3度はするようになりました。
後から聞いたら、私に“子供が欲しい”と言われたことでプレッシャーを感じ、する気がなくなっていたようでした。なので、子供のことは言わないように気をつけています」
セックス=子作りと捉えることで、自分が相手にとっての「子作りのための道具」と認識してしまい、セックスに対する欲求がなくなってしまう、ということは男女ともによくあります。
子供が欲しい場合でも、「子供が欲しい!」と直接口に出すのではなく、「あなたが欲しい!」と言うといいでしょう。
(3)妻からお願いされて
Cさん(男性・30歳)は、レス夫の立場でした。さきほどご紹介したAさんのように、妻側からお願いされたのでセックスに応じてみた……というCさん。
「妻からは、“夫の義務を放棄している”と言われました。確かにそうかなと思ったのですが、仕事も忙しいし、理解してくれていると思っていました。でも、独りよがりだったんだなと反省はしました。
とはいえ、セックスが義務だと思うと、体が反応しないですよね? 正直、無理矢理、気持ちをそっちにもっていくのも大変でした。
実際やり始めてみると、それなりに興奮するんですけれどね。妻のほうにも、もうちょっと、日常的に色っぽくするとかの工夫はして欲しいかな」
(4)不完全燃焼でした!
Dさん(女性・36歳)は出産後、夫とセックスレスになってしまったというケース。「夫を拒否しているというよりも、自然としなくなった」と言います。
「子供が同室で寝ましたから、いつ、どのタイミングでしたらいいのかもわからなくなっていました。
たまたま、子供が寝た後に夫とリビングで過ごしていたら、ちょっと雰囲気が良くなって……今思えば、そう感じるように仕向けられていたのかな?
産後3年経って、子供が熟睡できるようになってきたのも、大きかったと思います。
ただ夫は興奮しすぎたのか、すぐ果てちゃうし、私は火をつけられたまま中途半端になっちゃうし……。久しぶりのセックスは濃厚かと思いきや、完全な不完全燃焼でした。あと、痛かったかな」
(5)妻にイチからアプローチ
最後は、妻からしばらく拒否されていたという夫の立場から。Eさん(男性・40歳)の体験談です。
「子供が2人います。妻からは2人目を出産後、拒否されるようになりました。
さすがに、“性欲が抑えられないから浮気”というわけにもいかないと思ったので、自分の中で、妻のことを“まだ付き合っていない女性”と設定。イチからアプローチを頑張ってみました。
最初は正直、“夫婦なのにどうしてこんなことしなくちゃいけないんだよ……”という気持ちもありました。
でも、家事をしたり、どうやったら相手が喜ぶかなーと考えて行動しているうちに、逆にそういうことをまったく考えてこなかった自分に気付いてしまったというか。
いきなりセックスに誘うのもやめました。ボディタッチはしましたけど、それも軽く。半年くらいたって、だんだんとタッチの時間を長く取れるようになって。
エッチを受け入れてくれそうかなと思ったときも、処女みたいに扱って途中でやめたりしました。
そうしたら向こうも案外燃えてきたみたいで……。
セックスできた時は、むしろ向こうは積極的でしたよ。
“久しぶりだと濡れない”とか言う人もいるけど、そうでもなかったですね。産後とかって、女性としての自分を見失ったり、自信喪失しやすいんじゃないかと思うんです。思い切り相手を乗せてやることが大事じゃないですかね」
3:セックスレス夫婦が「最後にしたセックス」はどんなセックスだったか?
(1)イヤイヤなのが丸見えだった……
それでは、現在セックスレスだという夫婦が最後にしたセックスについて伺ってみましょう。
Fさん(女性・30歳)の場合は、相手がイヤイヤしているのが丸見えだったそうですが……
「もうびっくりするくらい、義務感丸出し。夫としてというよりも、“男としてオマエはそれでいいのか!”と私が思ってしまったくらいです。
その時までは、私もまだ“この人と続けていきたい、エッチがしたい”と思っていたのですが、その様子を目の当たりにして、もういいやって……。
彼はフィニッシュして終わりましたが、私はちっとも気持ちよくなかったです。
あれが彼のベストパフォーマンスなのだろうから、もうしなくていいです。二度と」
(2)すぐ終わられた!
Gさん(女性・39歳)もセックスレスの状態が、もう4年続いているとのこと。
「夫は仕事が忙しく、帰宅がいつも深夜。休日も、常に自分の部屋で仕事を優先させ、食材の買い物すら一緒にすることはありませんでした。
最後にした時も、深夜残業の後。何ヶ月ぶりかのセックスでしたが、彼の絶頂がビックリするくらい早くて……。
それだけならともかく、直後に『今日はもういい。寝る』と宣言されて。開いた口が塞がらなかったです。
それ以降、応じる気がなくなったので、していません。
実は今、離婚を検討しています。セックスレスだからというのも、理由のひとつだけれど、それ以外の色々なことを通して、彼は私のことが大事なのではなく、自分のことが大事なだけなのだと理解したからです」
(3)いつもとあまり変わらなかったのに……
最後にお話を伺ったのはHさん(男性・35歳)です。最後のセックスは3ヶ月ほど前、その後は妻からの拒絶が続いているようです。
「最後にしたセックスは、いつもと大して変わったところはないと思っていました。
寝物語といったものも別に好きなわけじゃないから、終わった後もいつも通りで……。だから何がいけなかったと思うかと聞かれても、ちょっとわからないですね。
元々、自分も性欲旺盛なほうではないし、淡泊なセックスだと言われればそうかもしれません。でも、最後のセックスだけ特に淡泊だったわけではありませんしね。本当に、レスになった理由はわからないです」
4:セックスレスは「心」から!
セックスは、心でつながる感触を求めて行うものです。女性の場合は特に顕著ですが、男性でも、心が伴わないことで相手に欲情しない、やる気が起らないといったことが起こります。
触れられるなどといった物理的な快感だけがセックスではありません。
ですから、セックスレスにならないようにするには、相手との「心のつながり」を常に大切にすること。
セックスレスになってしまって、その状態を解消したい時は、「心のつながり」を再構築するところから始めることが重要になります。
体験談でご紹介したGさんのように、セックスをきっかけに、自分が大切にされているのか、そうでないのかを考えるようになることも……。
理想的なセックスの頻度や内容がパートナーと一致していないと、大きなトラブルの元になり得ます。
ああしたい、こうしたいという自分の意見も大切ですが、相手がどのように考えているか、お互いに知り、それを尊重できると、円満な時間を過ごせるようになりますよ。
【参考】